医学博士 平岩幹男監修|読むトレGO!
ディスレクシア 読みの学び直しのおすすめ
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学校へのお願い!

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                             Rabbit Developmental Rsearch 代表

医学博士:平岩幹男

発達性読み書き障害(ディスレクシア:学習障害の一つ。知的な遅れは伴わない)では、

話す、聞くという音声言語には大きな問題点がないにもかかわらず、読む、書くという文字言語に困難さを抱えます。日常会話能力に問題がないにもかかわらず、国語のテストの得点が低い、算数の計算はできても文章題が苦手などの場合に、それが知的能力の低さによるものではなく、こうした特性による場合が多いことを理解していただければと思います。なお知能検査であるWISCⅣでは、読みの問題が含まれているので点数が(実際の能力よりも)低く出ることがよくあります。以下の点に配慮していただければ幸いです。

 

1.文字を瞬時に音に変える(時間をかければわかります)、単語を音のまとまりとして読むことの苦手さを抱えていることが多いです。読むだけに集中すると字を追うだけになって内容が理解できないことがあります。また苦手だからと音読の回数を増やしても効果はありません。語句、文章の意味を口で話して理解させ、一度口に出してみてから読むことで読み間違いは減ります。まずひらがな・カタカナで読み間違いがある場合にはひらがな・カタカナが瞬時に読めるようにカードを使うなどしてトレーニングし、それらが正確に読めるようにします。次に音のまとまり、すなわち「い」「ぬ」ではなく「いぬ」と「音のまとまり」で読むトレーニングをします。音のまとまりで読めるようになれば意味が理解できるようになりますが、そうでなければただ字を追っているだけということもよくあります。

2.漢字にはいろいろな読みがあります。その使い分けが難しいことが多いので、語句にあてはめて練習することをお勧めしています。たとえば「急流が流れる」のようにですが、「左右」「東西南北」など同じカテゴリーの漢字の読み間違いもしばしば起きます。やはり語句を使いながら教えていただければと思います。

3.音読が同じ学年のお子さんに比べて苦手なため、基本的にはクラス内での順番に当たる音読は避けていただきたいと思います。読めないことによって本人が傷つく可能性があり、どうしても必要と考えられるのであれば、前日に読む個所を教えていただきたい(本人は覚えて話します)。あらかじめ家庭で意味を理解してから練習してもらうことで本人が傷つくことを防ぎたいと考えています。

4.読みの苦手さがあれば、程度は様々ですが書きの苦手さもあります。習った漢字をすぐに書くことは苦手であり、読みが十分にできるようになってから書く練習をすることが望まれます。トレーニングでまず読みの向上を図り、書き、特に漢字については読みを教えて、それが定着してからの方が、うまく書けるようになることが多いです。自信のないまま書かせてもきれいに書けない、大きさがばらばらなどのことがあり、そこを注意しても自信を失い、書くことが嫌になります。

5.読みの課題を抱えますので、漢字の練習や計算問題は大量にこなすのは難しいです。特に家庭学習においては量を減らしてください。少しできるを積み重ねます。

6.特に国語において、予習が大切と考えることから翌日の学習の内容、単元の変更などについては事前に知らせていただくことが望ましいと考えます。デジタル教科書によるフォントの変更(UDフォントの使用などは、しばしば読みやすさにつながります)についてもご検討いただければ幸いです。

7.デジタル機器の助けも借りながら、少しずつできるようになり自信がついて来れば、それが子どもたちの将来につながることを理解していただければ幸いです。ディスレクシアを抱えた子どもたちは、考えられているより多いと思います。

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